実践06:失敗と終わり(第8部・第38〜42章)
失敗を「起きた事故」でなく、観測して手を打てる現象として扱う。
第38章 炎上するパターン(各型に早期兆候つき)
- 派手:A スコープクリープ/B Complex誤認に細かい計画/C 前提未確認/D 例外の見落とし/E 合意の形骸化/F 品質の先送り/G ゴールドプレーティング(依頼者のいない作り込み)/H デスマーチ。
- 静か:I 作ったが使われない/J 機能の肥大化(マネジメントの問題)/K 属人化/L 誰も終わらせない/M 捨てられない。
- 各章が各型の予防策に対応。静かな失敗は誰も報告しないので「見に行く人を決める」以外にない。
| 派手な失敗 | 静かな失敗(内製特有) |
|---|---|
| A スコープクリープ | I 作ったが使われない |
| B Complex誤認に細かい計画 | J 機能の肥大化(マネジメントの問題) |
| C 前提未確認 | K 属人化 |
| D 例外の見落とし | L 誰も終わらせない |
| E 合意の形骸化 | M 捨てられない |
| F 品質の先送り | 見え方:予定通り完了/気づく人ほぼ無 |
| G ゴールドプレーティング(依頼者なし) | 表面化:1〜数年後/誰も報告しない |
| H デスマーチ |
第39章 なぜ失敗から学べないのか
学べないのは意志でなく構造。Blameless Postmortem(「なぜ確認しなかったか」でなく「確認せず進むのが自然に見えたのはなぜか」)。記録が残らない/人が入れ替わる/シングルループに留まる(ダブルループ=前提を問う)/認知バイアス(構造で対処)。教訓は「気をつける」でなく、誰のどの作業に入れるかまで書いた仕組みへの提案にする。
「もっと気をつける」を5回繰り返しても前提が違えば結果は変わらない。教訓は誰の・どの作業に入れるか+渡す先まで書く。
第40章 手の施しようもないとき
まず手遅れを認める(サンクコストは金でなく面子と錯覚)。三つの問い=①完了に必要なこと全部が実現する確率②今ゼロから立てるか③完成しても目的は得られるか。撤退基準は着手前に(測れる・期限・発動者・発動後の行動)。三択(縮小/延期/中止)+エスカレーション(事実と選択肢+推奨+判断期限、人でなく状況を主語に)。人を守ることはプロジェクトを守ること。
楽観は個々でなく「掛け合わせないこと」に宿る。
第41章 終結と引き継ぎ
終わりを宣言することが次を始める条件(内製には検収の外圧がない)。①完了確認②引き渡し③**運用への移行(最重要で最も雑にされる)**④知識の引き継ぎ(「相手が一人でやれた」で判定)⑤教訓の記録(仕組みへの提案+渡す先)⑥解散と労い(具体的に言う=見ていた証)。未完了項目を隠さず判断が要る/要らないを分けて渡す。
終章・第42章 それでも計画する価値
計画の価値は当たることでなくずれを検出できること。気づくのが遅れるほど選べる手が減る=それが遅れの本当のコスト。三つの持ち帰り:①見えていないものを見つける②境界を引く=断る③仕組みに埋め込む。四つ目に、人を守ることは次のプロジェクトを守ること。
| 気づいた時点 | 打てる手 |
|---|---|
| 6週目 | 在庫の定義を揃える会を先に入れる/組み直す |
| 3ヶ月目 | 一部店舗に絞り先行/機能を落とす |
| 4ヶ月目 | 期日を動かす or 品質を削る の二択 |
| 直前 | 出すか出さないか |
右ほど手が減る=遅れの本当のコスト(工数増でなく選択肢減)。三つの持ち帰り:見えないものを見つける→境界を引く(断る)→仕組みに埋め込む。