統合ツール:見積りと実績管理(見積りの幅 + EVM)
統合元:PMBOK 10.1 EVM(アーンドバリュー)+ 内製教科書 第25章(三点見積り・幅・参照クラス)。 残した中心:EVM(実績を測る)は完全にPMBOK。見積りの立て方・伝え方は教科書。両者は「立てる」と「測る」で相補的なので両方残す。
A. 見積りを立てる(教科書 第25章)
見積りは予言でなく不確実性の表明。分かっていることが少なければ幅は広い。
三点見積り(PERT):期待値 = (楽観 + 4×最頻 + 悲観) / 6。 計算より、三つを出す過程で前提が言語化されることに価値(悲観が開く理由=リスク)。
幅は伝わる過程で必ず一点に潰される(開発→PM→部長→議事録→販促で確実性が上がり日付になる)。対策:
- 潰す権限を自分が持つ(悲観寄りに潰して渡す)。
- 社内の見通し(期待値)と対外の約束(悲観寄り)を別の数字にする。
- 日付に「確度」と「見直す日」を付ける。
- 潰した記録を残す(半年後に再構成できる)。
参照クラス予測:過去の似た案件の実績から補正(計画錯誤を打ち消す)。記録すべきは4つ=見積り/実績/幅/ずれた理由。内製では自社の過去PJがそのまま材料。
B. 実績を測る(PMBOK:EVM)
| 指標 | 計算式 | 読み方 |
|---|---|---|
| SV(スケジュール差異) | EV − PV | 負=遅延 |
| CV(コスト差異) | EV − AC | 負=超過 |
| SPI | EV / PV | 1.0未満=計画より遅い |
| CPI | EV / AC | 1.0未満=1円で1円未満の価値 |
| EAC(簡易) | BAC / CPI | 現状効率が続いた場合の最終コスト |
PV=400 / EV=350 / AC=380 → SV=-50・CV=-30・SPI=0.88・CPI=0.92・EAC≈1087万。
数値例:BAC=1000万。PV=400 / EV=350 / AC=380 のとき SV=−50・CV=−30・SPI=0.88・CPI=0.92・EAC≈1087万(87万超過見込み)。 → SV・CVともに負=成果/プロセス二軸の「プロセスの成功(効率性)」が低下。 単に急がせず、なぜ両方悪化したかの相互作用を見る。
C. つなぎ方
- 見積りの粒度が精度を決める(曖昧な要件は曖昧にしか見積れない)。WBSの本当の出力は工数合計でなく「分解が止まった=要件の穴」のリスト。
- Complex領域(教科書 第23章)では精度でなく更新頻度とスコープ可変性で対応。EVMが素直に効くのはComplicated領域。
- 内製では人数を工数換算した時点で3〜4割の嘘(兼任・割り込み)。実効稼働(ベロシティ)で計画する。